青汁は、さまざまな効果があることで知られている健康飲料です。実際に青汁には、糖尿病などにおける生活習慣病の予防に効果的なさまざまな成分が含まれています。そのため、青汁を習慣的に飲むことによって、糖尿病などの予防が期待できます。

また、青汁は、糖尿病を予防したい人だけではなく、すでに糖尿病を発症している人にもおすすめできる飲料です。これは、青汁には糖尿病の合併症を起こしにくくする栄養素などが含まれているためです。

そこでここでは、糖尿病を発症している人が青汁を飲むべき理由について解説していきます。

糖尿病はなぜ怖いのか?:糖尿病の合併症

糖尿病は、「生活習慣病」の1つです。そのため、糖尿病を発症している人の多くが、習慣的に良くない生活を送っています。

また、糖尿病は、日本人が多く発症している「国民病」の1つです。そのため、糖尿病は「周りにもかかっている人がいる」というような身近な病気であるといえます。

そして、糖尿病は、それ自体の症状は重篤ではないものばかりです。例えば、糖尿病における代表的な症状の1つである多尿・多飲は、コーヒーやお茶などを常習的に飲んでいる人にも生じやすい事象です。

また、糖尿病を発症すると、疲労感が生じることがあります。ただ、このような疲労感は、ストレスや生活習慣などのさまざまな要因によって起こります。そのため、現代社会では、常に疲労感を感じているという人が多いです。

このように、糖尿病の症状は、軽く見られやすいものばかりです。そのため、糖尿病患者や糖尿病予備群などの人たちの中には、危機感なく悪い生活習慣を続けている人が少なくありません。

ただ、糖尿病が進行すると、生活の質を大きく落とす合併症が発症しやすくなります。そして、このような合併症の中には、最悪の場合死に至るものもあります。そのため、糖尿病は、自覚症状がなくても定期的に検査して早期発見することが大切な病気の1つです。

糖尿病が合併症を引き起こすメカニズム

糖尿病とは、さまざまな要因によって血液中に流れる糖が多くなる状態をいいます。そして、このような糖は、やがて尿として排出されます。このようなことから、「尿から糖が出る病気=糖尿病」といわれています。

このようにして血液中の糖(血糖)が多くなると、その分だけ他の物質が流れにくくなります。そのため、血糖値が高くなると、糖以外の栄養素などが体内を巡りにくくなります。

また、血液中に大量の糖が流れると、糖が血管における壁のタンパク質などと結合して「AGE(終末糖化産物)」になりやすくなります。

このようなAGEには、組織の老化を促進させる作用があります。そのため、血糖値が高くなると、AGEが生じやすくなるため老化が進みやすくなります。

例えば、血管壁がAGEの影響を受けると、血管が老化して伸縮性に乏しくなります。すると、血液が流れにくくなるため、血管が詰まりやすくなります。このようにして血管が詰まると、詰まった先の組織に十分な血液が供給されないことになります。

そして、一部の組織に血液が流れづらくなると、このような組織は血液から十分な量の酸素や栄養素などを受け取れなくなります。

このような中、当然のことながら、細胞が活動するためには酸素と栄養素が必要不可欠です。

そのため、AGEなどの影響によって血管が詰まると、詰まった先の組織における正常な機能が失われることになります。そして、これが糖尿病における合併症の主な発症原因です。このようなことから、糖尿病は「血管病の1つである」ともいわれています。

このような糖尿病が引き起こす血管障害による合併症は、「細小血管障害」と「大血管障害」の二種類に分けられます。細小血管障害とは、細い血管に生じた障害のことを指します。一方で、大血管障害は、体内の太い血管に障害が起こった状態です。

これらの合併症は、どちらも生活の質を大きく下げます。ただ、細小血管障害は、発生しやすい一方で命を落とす危険性は比較的低いです。これに対して大血管障害は、細小血管障害よりも起こりにくいですが、症状が出ると命を落とす危険性が高いという特徴があります。

また、2型糖尿病はインスリンの作用や分泌量などが低下することによって起こる病気です。そして、このようなインスリンは、体内でさまざまな働きをしています。

そのため、糖尿病によってインスリンが働きにくくなると、それにともなって別の病気にかかりやすくなることもあります。

細小血管障害:糖尿病腎症

前述のように、糖尿病になると血管がダメージを受けやすくなります。そして、このような血管障害は、細い血管に生じるほど影響が大きくなります。

というのも、太い血管であっても、硬くなって伸縮性が乏しくなると血液の流れは停滞します。ただ、血管が太いと、もともと流れることができる血液の量が多いため、細い血管よりも詰まりづらいです。

これに対して細い血管は、硬くなって広がりにくくなると、赤血球や糖などの「粒」が通りづらくなります。そのため、細い血管が硬くなると、「血液中にもともと存在している物質」によって血管が詰まりやすくなります。

このような中、腎臓は血液を濾し取って原尿を作っています。また、このような原尿を作るための血管はかなり細いため、詰まりやすいです。

そのため、腎臓の血管には、前述したような糖尿病による血管障害が起きやすいという性質があります。そして、このようにして生じた糖尿病による腎機能の低下を「糖尿病腎症」といいます。

糖尿病腎症が起こると、血液を濾し取りづらくなるため尿が作られにくくなります。すると、体内の老廃物が尿として排出されにくくなるため、体に毒素が溜まっていくことになります。

当然のことながら、本来排出すべきものが体に溜まっていくと、さまざまな症状が現れます。そして、最悪の場合、死に至ることもあります。

そのため、腎臓機能の低下によって自分で老廃物を排出できなくなると、腎臓が行っている血液の濾過を人工的に行う必要が生じます。このような作業を「人工透析」といいます。

そして通常、腎機能低下によって人工透析の必要性が生じると、一生人工透析を行わなければいけなくなります。

このような人工透析は一回5時間程度かかり、週に3回程度行う必要があります。また、このようなスケジュールどおりに人工透析を行わないと、体にさまざまな悪影響が生じます。

そのため、人工透析のスケジュールは、体調不良や所用などの個人的な理由があっても、先延ばしにすることはできません。そのため、腎機能低下によって人工透析を行うようになると、思い通りに予定を組めなくなるため、生活の質が大きく下がりやすいです。

そして、人工透析を行うほど腎機能が低下している人の多くは、糖尿病腎症患者です。つまり、糖尿病を放置すると、取り返しのつかないほどの腎機能低下が起こるリスクがあるということです。

このようなことから、糖尿病腎症は、糖尿病における3大合併症の1つとされています。

細小血管障害:糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、前述した糖尿病腎症と同様に、糖尿病における3大合併症の1つとされている病気です。これは、網膜は人体にとって重要な働きを担っている組織であり、多数の細い血管が存在しているためです。

網膜には、光や色などを感じる神経細胞が多数存在しており、これらが働くことによって目で物を見ることができるようになっています。

また、このような神経細胞は、網膜の毛細血管に流れている血液から酸素や栄養素などを受け取って活動しています。

そのため、糖尿病によって網膜の血管がダメージを受けると、網膜の神経細胞における働きが低下して、視力の低下や目のかすみなどの症状が現れます。

また、前述したAGEは、網膜における血管内の細胞と反応して「血管新生」を促すことがわかっています。血管新生とは、もともと血管が存在していなかった部位に血管ができることをいいます。

このようにして血管新生が起こると、血管が生じたところに酸素や栄養素などが供給されることになります。ただ、このようにして作られた血管は、もろいという性質があります。そのため、血管新生によって生じた血管は、小さな衝撃ですぐに出血を起こします。

このようにして生じた血液は、「増殖組織」という「かさぶた」のような膜になっていきます。そして、このような増殖組織が大きくなると、網膜を引っ張って剥がしてしまうことがあります。このようにして網膜が剥がれることを「網膜剥離」といいます。

前述のように、網膜には「物を見るために働いている神経細胞」が存在しています。そのため、網膜が剥がれると、これら神経細胞が血管と触れなくなるため、細胞の機能が著しく低下します。すると、視力が落ちたり目が霞んだりなどの症状が現れます。

また、網膜剥離が広範囲で起こると、神経細胞の働きが失われて失明することもあります。

このように、糖尿病は網膜に決定的なダメージを与えて重大な症状を引き起こすことがあります。また、網膜には痛覚がないため、糖尿病によって網膜に損傷が起こっていても気づきにくいです。

そして、「視覚による情報量は全体の8割以上である」といわれているほど、目の働きは日常生活に欠かせないものとなっています。そのため、糖尿病網膜症を発症して失明に至ると、情報の多くを受け取れなくなるため、生活の質が大きく下がります。

細小血管障害:糖尿病神経障害

前述のように、糖尿病における3大合併症には、糖尿病腎症や糖尿病網膜症などがあります。そして、これらに並ぶもう1つの3大合併症が、「糖尿病神経障害」です。

すでに述べたように、糖尿病によって血管が詰まると、その先への酸素・栄養素供給がうまくいかなくなります。そして、このような症状は、血管が細いほど起こりやすくなります。

このような中、全身における多くの神経細胞は、毛細血管を流れる血液から酸素や栄養素などを受け取っています。そのため、糖尿病によって毛細血管が詰まると、神経細胞の働きが低下します。

このような神経細胞は、細胞同士が「コミュニケーション」を行ってさまざまな情報を伝達しあっています。

例えば、健康的な人間であれば、手や足などに何かが触れると「何かが触れた」と認識することができます。これは、手足の神経細胞が、「何かが触れた」という情報を脳に送っているためです。

また、心臓や呼吸、発汗、平衡感覚などにおける人間の機能は、無意識のうちに行われています。これは、さまざまな神経細胞が、外部の環境や体内の状況などを察知して、それに応じた情報のやり取りを行っているためです。

そのため、血管の詰まりによって神経細胞の働きが低下すると、手足などの感覚が鈍くなったり、環境や状況などに合わせて働きを調整しにくくなったりします。具体的には、手足のしびれや異常な発汗、立ちくらみなどの症状が現れます。

また、このような神経障害によって手足の感覚が鈍くなると、痛みを感じにくくなります。すると、これら組織に傷などが生じても自覚しにくくなり、放置されやすくなります。

このような中、神経障害が起こっているということは、障害が生じている組織への血液供給が滞っているということです。そして、傷が治るためには、患部に酸素や栄養素などが供給される必要があります。

そのため、神経障害がある状態で傷を放置すると、傷が悪化して腐ってしまう(壊疽する)ことがあります。最悪の場合、このようにして壊疽すると、患部を切断することになります。

このように、糖尿病による神経障害は、生活の質を下げるさまざまな症状を引き起こします。

そして、糖尿病神経障害による症状は、過剰なストレスや更年期障害などによっても起こることがあります。また、前述のように、糖尿病の症状も自覚しにくいものが多いです。

そのため、定期的な検査を受けなかったり、体調の変化に注意していなかったりすると、糖尿病や糖尿病による神経障害の発見が遅れることがあります。

大血管障害:脳卒中

前述のように、血糖値が高い状態が続くと、血管がダメージを受けて硬くなります。また、このような症状が動脈に起こることを「動脈硬化」といいます。そして、動脈硬化は、命に関わるさまざまな重篤な症状の引き金となります。

例えば、脳の血管に動脈硬化が起こると、脳の血流が悪くなります。すると、血液に含まれる糖やコレステロールなどの「血液に含まれる固体成分」によって血管が詰まりやすくなります。このようにして脳の血管が詰まると、詰まった先への血液供給が行われなくなります。

このような中、ほとんどの人が知っている通り、脳は小さな部位であっても重要な働きを担っています。

そのため、脳内の血管が詰まると、喋れなくなったり体が麻痺したり、平衡感覚がなくなったり視野が狭くなったりなどのさまざまな症状が現れます。このような病気を「脳梗塞」といいます。

脳梗塞による症状は、血管の詰まりが生じた箇所によってさまざまです。ただ、血管の詰まりによって脳の神経細胞が死ぬと、これを回復させることは困難です。そのため、脳梗塞が起こると、発症前の状態に戻ることはほぼ不可能になります。

また、糖尿病によって血管がダメージを受けると、硬くなるだけではなく脆くもなります。このようにして血管が脆くなると、容易に出血しやすくなります。

そして、このような出血が脳の中に起こることを「脳出血」といいます。脳出血が起こると、出血した先の組織に酸素や栄養素などが届けられにくくなるため、脳梗塞が生じた場合と同じような症状が現れます。

また、脳出血が起こると、血管から漏れ出た血液によって脳内の圧力が高くなります。すると、脳内における他の部位が圧迫されて、頭痛や吐き気などが生じやすくなります。

このように、糖尿病によって脳内の血管に動脈硬化が起こると、脳梗塞や脳出血などの「脳卒中」が起こりやすくなります。実際に、糖尿病になると、健康な人に比べて脳梗塞の発症頻度が2~4倍になるといわれています。

そして、このような脳卒中は、長年において日本人の死因上位です。つまり、脳卒中を引き起こしやすくする糖尿病は、死にもつながる病気であるということです。

また、脳卒中は急に発症することが多い上に、発症すると取り返しのつかないことになりやすいです。そのため、糖尿病の自覚症状がないからといって安心せず、正しい生活習慣を心がけることが大切です。

大血管障害:心筋梗塞

前述のように、糖尿病になると動脈硬化が起こりやすくなります。そして、心臓の血管に動脈硬化が起こると、狭心症や心筋梗塞などが発症しやすくなります。

狭心症とは、心臓の血管が狭くなることによって心臓の筋肉に血液が送られにくくなる病気のことをいいます。そのため、狭心症が起こると、心臓の筋肉が酸素・栄養素不足となり、働きが低下して胸の痛みなどの症状が現れます。

また、このようにして血管が狭くなると、「血液内の固体成分」で詰まりやすくなります。そして、このような塊によって血管が詰まると、「心筋梗塞」となります。

心筋梗塞が発症すると、短時間で心臓の筋肉が壊死していきます。そのため、心筋梗塞は、対処が遅れると命を落とす危険性が高い病気です。

また、心臓の筋肉を構成する細胞は、細胞分裂を行いません。そのため一般的には、心筋梗塞によって心臓の筋肉が壊死すると、心臓の機能は低下したままになります。

このように、心筋梗塞は取り返しのつかない病気です。このような中、心筋梗塞の前症状ともいえる狭心症は、症状を自覚しにくい病気です。

そのため、糖尿病によって狭心症を発症しているにも関わらず、自覚症状に気づかず放置すると、心筋梗塞となって死に至るケースがあります。このようなことから、糖尿病は、発症から早い段階で対処しないと命を落とす危険性がある病気であるということがわかります。

大血管障害:末梢動脈性疾患

前述のように、糖尿病になると動脈硬化が起こりやすくなります。このような動脈硬化が手足などの太い血管(末梢動脈)に起こると、これら組織への血流が滞ることによって機能が低下します。

すると、末梢動脈性疾患が生じた部位にしびれや痛みなどが生じたり、機能低下によって歩行などが困難になったりします。そして、このような状態が悪化すると、手や足などの組織が壊疽することがあります。

このようにして組織が壊疽すると、手術によって切除する必要があります。そのため、末梢動脈性疾患によって手足が壊疽すると、手足を失うことになります。

そして、一般的に、手や足などは、健康的な生活を送るために重要な働きをしています。そのため、末梢動脈性疾患の症状が重篤化すると、生活の質を大きく下げることになります。

認知症

多くの人が知っているように、脳は人間におけるさまざまな機能をコントロールしている組織です。例えば、脳は物事を記憶したり、言葉を発したりするための機能を担っています。

また、意識しなくてもまっすぐ歩くことができたり、食べたものを消化吸収したりするのも脳が正常に働いているためです。そして、嬉しさや悲しさなどの感情も、脳の働きによって起こっています。

このように、脳は人間における活動のほとんどに関与しています。そのため、何らかの理由によって脳の機能が低下すると、このような「当たり前にできていること」ができなくなっていきます。このような状態を「認知症」といいます。

このような認知症には、病態や発症原因などによってさまざまな種類があります。このうちでも、もっとも患者数が多いといわれているのが「アルツハイマー型認知症」です。

アルツハイマー型認知症の発症原因は、正確には解明されていません。ただ、アルツハイマー型認知症患者の脳には、「老人斑」と呼ばれる「シミのようなもの」や「神経原線維変化」という神経細胞の変異などが見られます。

このような老人斑は、「アミロイドβ」というタンパク質によって構成されています。このようなタンパク質は、日常的に脳内で生じている物質です。また、最近の研究結果では、アミロイドβは細菌や真菌などを封じ込めるために生じている可能性が高いということが示唆されました。

健康な人であれば、このようにして生じたアミロイドβは、速やかに分解されて体外へと排出されます。ただ、遺伝的要素や環境的な要素などによって、アミロイドβが過剰に生じたりアミロイドβの分解機能が落ちたりすると、アミロイドβが脳内に蓄積していきます。

このようにして蓄積したアミロイドβは、集まって固まると神経細胞を壊す強い作用を示すようになります。また、神経細胞内における特定のタンパク質の変異を促進させる働きも確認されています。

このような神経細胞におけるタンパク質の変異は、「神経原線維変化」と呼ばれます。そして、神経原線維変化が起こるということは、正常な神経細胞が減少するということです。そのため、神経原線維変化が生じると、その分だけ脳の機能低下が起こりやすくなります。

このように、アルツハイマー型認知症は、特定のタンパク質が蓄積することによって発症するとされています。そして、このようなアルツハイマー型認知症には、治療法が存在していません。

そのため、アルツハイマー型認知症を発症すると、病気の進行を遅らせることはできるものの、いずれは症状が進行して日常生活が行えなくなるということになります。

また、「脳血管型認知症」は、アルツハイマー型認知症に次いで患者が多い認知症です。このような脳血管型認知症は、脳内の血管に動脈硬化が起きて、脳における組織への酸素・栄養素供給がうまく行われなくなることによって発症します。

このような中、糖尿病は、これら認知症の発症リスクを上げるということがわかっています。前述のように、糖尿病になると、動脈硬化が起きやすくなります。そして、動脈硬化は、脳血管型認知症の発症リスクを上げる要因となります。

また、糖尿病を発症している人は、そうでない人に比べてアルツハイマー型認知症を発症する危険性が2倍程度になるという報告があります。現段階では、糖尿病とアルツハイマー型認知症の関連性は、明確に解明されてはいません。

ただ、インスリンを分解する働きを持つ酵素は、アミロイドβも分解することがわかっています。

そのため、糖尿病によってインスリンの効き目が弱くなり、それに応じてインスリンの分泌量が多くなると、アミロイドβの分解が行われにくくなるといわれています。その結果、アミロイドβが蓄積しやすくなると考えられています。

また、インスリンは、脳の機能にも関与していることが知られています。そのため、糖尿病によってインスリン過多の状態が続くと、インスリンの脳への作用が弱くなっていきます。

このような中、アルツハイマー型認知症患者の脳は、「インスリンが効きにくくなっている状態」であることがわかっています。つまり、インスリンの効き目が弱くなることがアルツハイマー型認知症の発症原因の1つである可能性があるということです。

このように、糖尿病の発症に深く関与しているインスリンは、アルツハイマー型認知症の発症原因とされるタンパク質の代謝や脳の機能などにも関わっています。

このようなことから、糖尿病とアルツハイマー型認知症の発症には深い関係性があるとされています。また、糖尿病が発症する前段階であっても、インスリンの効き目が弱くなり始めていると、アルツハイマー型認知症が発症する危険性が高くなることがわかっています。

さらに、マウスを使用した実験などでは、アルツハイマー型認知症を発症していると、インスリンの効き目がより弱くなって高血糖になりやすくなる可能性が示唆されました。つまり、アルツハイマー型認知症患者は、糖尿病が悪化しやすくなる可能性があるということです。

そして、認知症を発症していると、生活習慣を自分でコントロールすることが難しくなります。そのため、生活習慣の改善による治療が行えなくなるため、糖尿病が治りにくく悪化しやすくなります。

このように、糖尿病と認知症は、相互に関係して発症や症状の悪化などを促します。そして、認知症が重症化すると、自分一人で生活することが困難になります。そのため、健康的な生活を続けたいのであれば、生活習慣を改めて糖尿病を予防することが大切です。

感染症

前述のように、糖尿病になると、血液中に大量の糖が存在することになります。そして、高血糖状態は、感染症にかかるリスクを増大させることがわかっています。

具体的には、血糖値が高いと、血液中の糖を材料に、好中球の働きを阻害する物質が作られやすくなります。好中球は、免疫を担っている免疫細胞の一種です。

このような好中球には、「体内に侵入した細菌などを取り込んで壊す(貪食作用)」があります。そのため、高血糖によって好中球の働きが低下すると、細菌感染を起こしやすくなります。

また、血液中に糖が大量に存在しているということは、その他の物質が血液を流れにくいということになります。そのため、糖尿病を発症すると、免疫細胞が外敵と出会いにくくなるため、感染症にかかるリスクが上昇します。

さらに、血液中の糖は、細菌などの栄養源となることがあります。そのため、慢性的に高血糖になると、免疫機能が低下している状況下で細菌などの繁殖が活発になるため、感染症が発生しやすくなります。

このように、糖尿病患者は感染症にかかりやすいです。また、これと同時に、糖尿病を患っている人が感染症にかかると、症状が重くなりやすく、治りにくくなります。

というのも、免疫機能が低下しているということは、侵入した外敵の抑止力が低いということです。

そのため、糖尿病患者に侵入した外敵は、生き延びて勢力を拡大しやすいです。このようにして体内の細菌やウイルスなどが増殖すると、その分だけ症状が酷くなり、治るのが遅くなります。

また、前述のように、糖尿病が発症すると、血管障害が起こることによって感覚が鈍くなることがあります。このような状況下で感染症が起こると、症状がひどくなっても気付きにくいです。

例えば、糖尿病神経障害を発症している人の足などに白癬菌(水虫などの原因菌)やカンジダ菌などが感染すると、症状が悪化して壊疽が生じやすいです。

また、神経障害を発症している人は、尿意を感じにくくなることがあります。このようにして尿意が乏しくなると、膀胱内に尿が残りやすくなります。すると、尿内で細菌が増殖して膀胱炎となることがあります。

このようにして膀胱炎になっても、神経障害が生じていると膀胱炎による自覚症状を感じにくくなります。そのため、糖尿病によって神経障害が発症していると、膀胱炎が悪化して腎盂腎炎となることがあります。

腎盂とは、腎臓で作った尿を一時的に溜めておく組織のことをいいます。このようなことから、膀胱炎が悪化すると、感染が腎臓まで進行することがわかります。

このように、糖尿病が発症すると、さまざまな感染症にかかりやすくなります。また、発症した感染症は、重症化しやすく治りにくいです。

このようにして重篤な感染症が起こると、生活の質を大きく下げるだけではなく、命を落とす危険性が生じます。そのため、糖尿病を発症している人は、健康な人よりも感染症に気をつける必要があります。

糖尿病ケトアシドーシス

前述のように、インスリンには糖を細胞に取り込ませる働きがあります。そのため、インスリンが足りなくなると、糖によってエネルギーを産生することが難しくなります。

すると、このようなエネルギー不足を補うために、脂肪が分解されていきます。このとき、脂肪が燃焼される過程では、「ケトン体」物質が生成されます。

このようなケトン体は、酸性の物質です。そのため、大量のケトン体が血液に流れ出ると、血液が酸性に傾きます。

ただ、人間の細胞は、限られたpHでのみ正常に働くことができます。そのため、人間の体には、傾きかけたpHを元に戻す機能が備わっています。

ただ、この能力では追いつかないスピードでケトン体が発生すると、体のpHが傾いてさまざまな症状が現れることがあります。このような症状を「ケトアシドーシス」といいます。

すでに述べたように、ケトン体は、糖の代わりに脂肪をエネルギー源とすることによって生じます。そのため、糖がエネルギーに変換されない環境ほど、ケトン体の発生量が多くなります。

このような中、1型糖尿病は、インスリンを分泌する細胞が壊れることによって起こる病気です。そのため、1型糖尿病を発症すると、糖の代謝能力が著しく低下し、ケトアシドーシスが起こりやすくなります。実際に、糖尿病によるケトアシドーシスを起こす人の多くは、1型糖尿病患者です。

とはいえ、糖尿病ケトアシドーシスは、2型糖尿病患者であっても、インスリンの働きが大きく低下している人には起こりうる症状です。

特に、大量の糖が含まれている清涼飲料水を飲む習慣がある人は、ケトアシドーシスを起こしやすいです。そのため、清涼飲料水の多飲によるケトアシドーシスを「ペットボトル症候群」と呼ぶことがあります。

このような糖尿病ケトアシドーシスでは、大量の糖が尿として排出されるため、脱水症状が起こります。また、吐き気や腹痛などの消化器官の症状や、低血圧、頻脈などが起こることがあります。

そして、ケトアシドーシスが重症化すると、意識を失ったり昏睡状態に陥ったりする危険性があります。また、最悪の場合、命を落とすこともあります。

このように、糖尿病ケトアシドーシスは、糖尿病患者が注意するべき合併症の1つです。そのため、糖尿病を発症している人は、自己判断でインスリンなどにおける治療薬の使用をやめないことが大切です。

また、糖尿病を発症していなくても、大量の糖を含む食品を摂る機会が多い人は起こりやすい病気です。そのため、清涼飲料水や糖分の高いお菓子などの摂取はなるべく控えるようにしましょう。

がんの発症リスク上昇

がんは、日本人における死因の第一位です。そのため、がんは、多くの人が「怖い病気である」と認識している病気の1つです。

このようながんは、壊れた細胞が分裂して異常な増殖を起こすことによって発症します。というのも、すべての細胞は、「DNA」という設計図どおりに作られています。

そして、これによって、細胞それぞれに特有の機能や性質などが与えられ、人体の恒常性が保たれています。

このような中、DNAに傷がつくということは、「設計図が書き換えられる」ということです。そのため、傷がついたDNAによって作られた細胞は、もともとの細胞とは異なる細胞となります。つまり、DNAが傷ついた細胞が分裂すると、異常な細胞が誕生するということです。

このような異常な細胞のうち、DNAの「分裂機能に関する部分」が書き換えられることによって過剰な分裂を繰り返すようになったものは、「がん細胞」と呼ばれます。

このようながん細胞は、まわりの組織を壊しながら増え続け、「悪性腫瘍(がん)」を形成します。そのため、がん細胞が増殖すると、周辺組織が侵されて正常な機能を保てなくなります。

また、がん細胞がある程度分裂して大きな集団となると、栄養を優先的に受け取るようになります。すると、他の組織に送られる栄養が少なくなるため、さまざまな器官の機能が低下し、体重が減少していきます。

そして、このようながん細胞は、体液にのって全身に移動します。そして、移動先で再び増殖を繰り返し、体を蝕んでいきます。

このように、がんはとても恐ろしい病気です。このような中、糖尿病を発症していると、がんの発症リスクが1.2倍程度増加するという報告があります。

このようながんと糖尿病の関係性は、完全に解明されたわけではありません。ただ、糖尿病の発症に関与しているインスリンには、細胞の成長や増殖を促す働きがあります。

そのため、糖尿病によってインスリンが大量に分泌されていると、がん細胞の増殖が促進されることによってがんが発症しやすくなると考えられています。

また、前述のように、高血糖の状態が続くと、AGEという物質が産生されやすくなります。このようなAGEは、糖とタンパク質を材料に、いくつかの段階を経て生成されます。

このような中、AGEの前段階である物質には、「活性酸素」を生み出す能力をもっていることが判明しています。

活性酸素とは、触れた物質の一部を奪ってでも安定しようとする「不安定な状態の酸素」を指します。また、このときの「触れた物質の一部を奪う作用」を「酸化」といいます。

このような活性酸素が体内の細胞と触れると、細胞内のDNAが壊れることがあります。そして、前述のように、DNAの破損はがん発症の原因となります。つまり、活性酸素はがんを発症しやすくするということです。

このようなことから、高血糖によって活性酸素が多く生じると、がんになりやすくなることがわかります。そのため、慢性的な高血糖状態である糖尿病にかかると、がんが発症しやすくなるといえます。

このように、糖尿病とがんの関連性は明確に解明されてはいないものの、糖尿病を発症していると、がんの発症リスクが増大する可能性があります。そして、実際に、糖尿病とがんの発症数は、相関関係にあることがわかっています。

このようなことから、がんを防ぐためにも、糖尿病予防のための生活習慣改善は、積極的に行うべきであるということがいえます。

このように、糖尿病自体の症状は、自覚することが困難なほど生活に対する影響は少ないです。一方で、糖尿病が誘発する合併症は、生活の質を大きく下げたり、最悪の場合命を落とす危険性が生じたりします。

そのため、糖尿病は症状が我慢できるからといって放置せず、早急に対処することが大切です。また、普段から糖尿病発症リスクを高めるような生活を送らないように注意し、糖尿病を発症させないようにしましょう。

糖尿病における合併症を起こしやすくする要因

すでに述べたように、糖尿病における合併症の多くは、血管が詰まることによって起こります。そして、このような血管の詰まりは、さまざまな要因によって起こりやすくなります。

そのため、糖尿病以外の血管が詰まりやすくなる要因があると、糖尿病の合併症が起こりやすくなります。そこで、以下に糖尿病の合併症を起こしやすくする要因を挙げていきます。

肥満

肥満は、さまざまな生活習慣病の引き金となります。実際に、肥満になると、糖尿病や高血圧などが発生しやすくなります。これらはどちらも、血管を詰まりやすくする要因となります。

また、肥満とは、体に多くの脂肪(中性脂肪)がついている状態のことをいいます。このような脂肪は、「脂肪細胞」が抱え込むことによって蓄えられています。

そのため、肥満になって体が蓄えている中性脂肪の総量が多くなると、脂肪細胞が中性脂肪を抱えきれなくなって、血液中に中性脂肪が流れ出るようになります。

このようにして血液中の中性脂肪が増えると、「過酸化脂質」が生じやすくなります。過酸化脂質とは、酸化した脂質のことであり、脂質が活性酸素に酸化されることによって生じます。

このような過酸化脂質は、活性酸素を発生させて血管を老化させます。また、過酸化脂質がたくさん生じると、塊となって血管を詰まりやすくします。このようなことから、過酸化脂質が生じると、糖尿病の合併症が起こりやすくなることがわかります。

また、肥満になると、LDLコレステロールの小型化が進むことがわかっています。LDLコレステロールとは、全身に細胞の原料となるコレステロールを運ぶ役割を担ったタンパク質のことをいいます。このようなことから、LDLコレステロールは、「コレステロールを抱えたタンパク質」であることがわかります。

このようなコレステロールは、脂質の一種です。そのため、LDLコレステロールは、活性酸素などによって酸化しやすいです。

このような中、小型化したLDLコレステロールには、血管内に入り込みやすいという特徴があります。そのため、このような血管内のコレステロールが酸化すると、血管に「頑固にこびりついた塊」となります。

そして、当然のことながら、血管内にこのような塊が生じるとその分だけ詰まりが生じやすくなります。このようなことから、肥満は糖尿病の合併症を起こしやすくするということがわかります。

塩分の摂り過ぎ

塩分を摂り過ぎると高血圧になる、ということは多くの人が知っています。これは、塩分を過剰に摂取すると、体内における水分のバランスが取れなくなるためです。

というのも、塩分に含まれている「ナトリウム」は、カリウムと一緒に働くことで、細胞や神経伝達などの機能を正常に保つ作用があります。

そして、これらの機能が正常に保たれるためには、ナトリウムとカリウムの濃度が一定のバランスになっている必要があります。そのため、人体には、これらの濃度を一定にする仕組みが備わっています。

このような中、過剰に塩分を摂ると、血液に大量のナトリウムが流れることになります。このようにして血中のナトリウム濃度が高い状態が続くと、身体におけるさまざまな機能が働けなくなります。そのため、血中のナトリウム量が増えると、これを薄めるために血液中の水分が多くなります。

このようにして血液の量が増えると、血液が流れる際にかかる血管への圧力が高くなります。そのため、塩分を摂り過ぎると、「血圧が高い=高血圧」になります。

そして、高血圧になっているということは、その分だけ血管に負担がかかっているということになります。そのため、慢性的に高血圧になると、血管の老化が進んで動脈硬化が起こりやすくなります。

前述のように、動脈硬化は糖尿病における合併症の1つです。このようなことから、塩分の摂り過ぎは、糖尿病の合併症を引き起こしやすくすることがわかります。

脂質の摂り過ぎ

すでに述べたように、脂質が酸化すると血管の詰まりが生じやすくなります。そのため、脂質を摂り過ぎて血液中の脂肪が増えると、血管が詰まりやすくなります。

また、脂質は高いエネルギーをもつ栄養素です。そのため、脂質を摂り過ぎると、カロリーの摂り過ぎとなり肥満になりやすくなります。そして前述のように、肥満は糖尿病における合併症を引き起こしやすくする要因となります。

さらに、脂質の中でも、動物性食品に多く含まれている「飽和脂肪酸」には、LDLコレステロールを増やすという作用があります。そのため、飽和脂肪酸の摂り過ぎは、特に血管の詰まりを起こしやすくします。

そして、「トランス脂肪酸」と呼ばれる脂質には、体内のコレステロールバランスに作用して動脈硬化を起こしやすくするという作用があります。トランス脂肪酸とは、自然には存在していない形の脂質のことをいいます。

このようなトランス脂肪酸は、牛や羊など反芻動物に住み着いている微生物によって作られることがあります。そのため、これらの食肉や乳などには、トランス脂肪酸が含まれています。

とはいえ、このような食品に含まれているトランス脂肪酸は微量です。そのため、牛肉や牛乳などを摂取しても、体に害が生じるほどのトランス脂肪酸を摂ることにはなりません。

そして、このようなトランス脂肪酸を含有する加工油は安価であるため、バターやラードなどの代用品となることが多いです。また、ショートニングには、食品の食感を良くする効果があるため、外食や加工食品などによく使われています。

さらに、サラダ油などの食用油は、保存状態が悪かったり長時間加熱したりすると、トランス脂肪酸が増えやすくなります。そのため、精製されてから時間の経過した食用油や、油を高温まで加熱して調理する揚げ物などには、多くのトランス脂肪酸が含まれています。

特に、外食や惣菜などの揚げ物は、トランス脂肪酸が含まれていることが多いです。というのも、一般的なお店では、同じ油で何度も揚げ物を調理します。お店の方針や調理者などによっては、一日に一度も揚げ物を変えないということも珍しくありません。

このようにして油を加熱する時間が多いと、その分だけトランス脂肪酸が生じやすくなります。そのため、外食や惣菜などの揚げ物には、多くのトランス脂肪酸が含まれています。

そのため、このような食品を食べる機会が多いと、トランス脂肪酸の過剰摂取となり、動脈硬化が起こりやすくなります。このようなことから、糖尿病の合併症が気になるのであれば、脂質の中でも飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の摂取には特に気をつけるべきといえます。

喫煙

喫煙は、さまざまな病気を引き起こしやすくすることで知られています。実際に、喫煙していると、糖尿病などの生活習慣病が発症しやすくなることがわかっています。

さらに喫煙は、糖尿病だけではなく、糖尿病における合併症の発症リスクも上げます。これは、喫煙すると血管が詰まりやすくなるためです。

というのも、たばこの煙には、ニコチンや活性酸素、一酸化炭素などのさまざまな物質が含まれています。そのため、たばこの煙を吸い込むと、体内に活性酸素が入り込むことになります。

また、一酸化炭素には、酸素の代わりに体内を巡るという性質があります。このようにして一酸化炭素が血液中を流れるようになると、全身の細胞が酸素を受け取りづらくなります。

このようにして全身の細胞が慢性的な酸素不足になると、体が「酸素の運搬能力が足りない」と判断します。すると、赤血球を大量に作ることによって、この状況を改善しようとします。

このようにして赤血球の数が増えると、その分だけ血管の中に「渋滞」が起こりやすくなります。そのため、赤血球が過剰に増えすぎると、血管が詰まりやすくなります。

さらに、喫煙によって細胞が酸素不足になると、うまくエネルギー源を燃やすことができなくなり、「不完全燃焼」が起こります。すると、正常な代謝で生じる二酸化炭素の代わりに、活性酸素が生成されるようになります。

前述のように、活性酸素には周辺の組織を壊して老化を促す働きがあります。そのため、血管が活性酸素の影響を受けると、血管が硬くなりやすいです。

そして、前述のように、インスリンの働きが低下すると細胞が糖を摂り込みづらくなります。このようにして細胞にエネルギー源が不足すると、これを補うために「脂肪酸」という脂質が血液中に流れます。

このような脂肪酸は、細胞のエネルギー源となります。ただ、喫煙によって体内に大量の活性酸素が生じていると、脂肪酸が活性酸素によって酸化されやすくなります。

すると、このような脂質は「過酸化脂質」となり、血管に付着しやすくなります。このようにして血管に余計なものがくっつくと、その分だけ血管が狭くなって詰まりやすくなります。

このような中、過酸化脂質には、活性酸素を生じさせやすくする作用があります。そして、このような過酸化脂質には、体外に排出されにくいという特徴があります。つまり、喫煙習慣があると、「血管が詰まる悪循環」が生じやすくなるということです。

そして、すでに述べたように、糖尿病における合併症の多くは、血管の詰まりによって生じます。このようなことから、喫煙すると、糖尿病になりやすいだけではなく、糖尿病の合併症も起こりやすくなるということがわかります。

糖尿病における合併症予防に青汁が有効な理由

これまでに述べたように、糖尿病の合併症は、命を落とす危険性が生じる怖い病気です。そして、このような合併症は、生活習慣によって起こりやすくなります。そのため、糖尿病による命の危険から身を守るためには、生活習慣を正すことが大切であるといえます。

このような中、野菜の絞り汁である青汁には、糖尿病における合併症の予防に有効な成分が多数含まれています。そこで、以下に青汁が糖尿病の合併症予防に有効な理由を具体的に述べていきます。

活性酸素の発生を抑えることによって合併症を防ぎやすくする

前述のように、AGEは糖尿病における合併症の原因となる物質です。そして、このようなAGEは、活性酸素によって生じやすくなります。

というのもAGEは、糖とタンパク質が結合し、いくつかの段階を経ることによって発生します。このとき、AGEが生成されるためには、活性酸素の影響を受ける必要があります。このようなことから、体内の活性酸素が多いと、その分だけAGEが作られやすくなることがわかります。

また、活性酸素は、過酸化脂質を発生させる原因でもあります。そして、前述のように、過酸化脂質は血管の詰まりを起こしやすくします。このようなことから、血管の詰まりは、活性酸素によって起こりやすくなることがわかります。

このような活性酸素は、体内で日常的に発生している物質です。そのため、体には、活性酸素を消す仕組みが備わっています。

具体的には、体内には活性酸素を消去する働きをもつ「抗酸化酵素」がいくつか存在しています。また、食物中に含まれる「抗酸化物質」にも、活性酸素を除去する働きがあります。

このうち、抗酸化酵素は、亜鉛や銅などのミネラルで構成されています。そのため、これらミネラルが不足すると、抗酸化酵素の量や働きなどが低下して体内の活性酸素が減りにくくなります。

また、抗酸化物質には、さまざまな種類があります。このうち、ビタミンAやCなどは、野菜の摂取量が少なくなると不足しがちになります。

このような中、野菜の絞り汁である青汁には、抗酸化酵素の材料となるミネラルや体内でビタミンAとなるβカロテン、ビタミンCなどを豊富に含んでいます。

また、青汁には、「ポリフェノール」が豊富に含まれています。ポリフェノールとは、植物が自身を守るために合成する物質であり、強い抗酸化作用をもちます。

そのため、青汁を習慣的に飲むと、体内の活性酸素が除去されやすくなって、AGEや過酸化脂質などによる糖尿病の合併症が起こりにくくなります。

塩分の排出を促す

すでに述べたように、塩分の摂り過ぎは高血圧を引き起こし、動脈硬化のリスクを増加させます。また、日本人の約8割は、このような症状が起こりやすい体質だといわれています。

そして、一般的に、日本人は塩分を摂りすぎる傾向にあります。実際に、日本料理のほとんどに使用されている調味料であるしょうゆや味噌などには、保存性を高めるために多くの塩が使われています。

また、たらこやすじこなどの魚卵は、塩や醤油などに漬け込んだものを食べるのが一般的です。さらに、塩辛や漬物など、日本の伝統的な保存食の多くは塩漬けされています。

このように、日本では、塩辛い食品を食べる機会が少なくありません。そのため、日本人は、塩に含まれているナトリウムを過剰に摂取している人が多いです。

ただ、前述のように、塩分の摂り過ぎは動脈硬化を促します。そのため、糖尿病の合併症を防ぐためには、塩辛い食事を控える必要があります。

とはいえ、健康のために食生活を大きく変えることには苦痛を伴いやすいです。また、極度に制限された食生活はストレスの原因となるため、生きる気力を失うことにつながりかねません。

そのため、高血圧による動脈硬化を防ぐためには、塩分の摂取量を減らすこととともに、「カリウムの摂取量を増やす」ことをおすすめします。

前述のように、ナトリウムはカリウムと濃度のバランスをとってさまざまな機能に関与しています。そして、これら栄養素は、正反対の働きをもつことが多いです。そのため、カリウムを多く摂取すると、ナトリウム過多による高血圧を防ぐことができます。

また、カリウムにはナトリウムの排出を促すという作用もあります。そのため、カリウムを多く摂ると、間接的に減塩と同様の効果が起こるといえます。

このようなカリウムは、野菜や果物などに多く含まれている栄養素です。そのため、野菜が原料である青汁には、カリウムが豊富に含まれています。

このようなことから、青汁は高血圧による動脈硬化を予防するのに適した飲料であることがわかります。そのため、糖尿病の合併症を防ぎたいのであれば、青汁を習慣的に飲むことをおすすめします。

肥満を防ぐ

青汁には、肥満を予防したり改善したりするのに役立つ「食物繊維」が多く含まれています。食物繊維とは、野菜に含まれる「人体では消化できない成分」のことをいいます。

そのため、食物繊維を摂ると、糖質や脂質などの吸収を阻害し、摂取カロリーを減らしやすくなります。このようなことから、食物繊維は肥満に効果的な成分であることがわかります。

また、前述のように、脂質の摂り過ぎは、肥満だけではなく動脈硬化も引き起こしやすくします。そのため、食事と一緒に食物繊維を摂るようにすると、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などの吸収を抑えて動脈硬化リスクが下がりやすくなります。

さらに、食物繊維の多い食事には、空腹感を起こしにくくするという効果もあります。このようにして空腹感が起こりにくくなると、その分だけ食べる量や食べる機会などが減りやすいため、肥満が起こりづらくなります。

そして、食物繊維には、肥満を引き起こしやすくする便秘を改善する効果もあります。このようなことから、食物繊維を多く摂ると、さまざまな理由によって肥満が起こりにくくなり、糖尿病の合併症リスクが下がりやすくなることがわかります。

これまでに述べたように、糖尿病や糖尿病の合併症などは、生活習慣の質によって発症しやすくなります。特に、食生活がこれら病気の発症に深く関与していることは明らかです。そして、青汁は、このような食生活の質を上げるのに有効な飲料です。

そのため、糖尿病を予防したい人だけではなく、すでに糖尿病を発症している人も、青汁を生活に取り入れてみましょう。そうすることによって、糖尿病の悪化や合併症の発症などが起こりにくい体となっていくはずです。