青汁は、さまざまな健康効果があることで知られています。そのため、青汁は、健康維持や病気予防のために飲まれることが多い健康飲料です。

そして、このような青汁における効果の中でも、特に注目を浴びているのが「抗がん効果」です。というのも、がんは日本人の死因でもっとも多い病気です。また、がんには「特効薬」が存在しません。さらに、がん治療には苦痛を伴うものが多いです。このようなことから、食品における抗がん作用は、多くの人の関心を集める事柄となっています。

このような中、青汁にはがんの発生や増殖などを抑制する作用のある成分が多数含まれています。また実際に、青汁にはこのような成分によって「抗がん作用」があることが実験で明らかになっています。そのため、青汁を飲むことで、がんの発生や増殖などを抑えることが期待できます。

そして、このようながん抑制効果のメカニズムを正しく理解し、青汁を効果的に生活に取り入れることで、がんの発症リスクを抑えたりさまざまな不調を改善したりすることができます。

そこで今回は、青汁における抗がん効果のメカニズムについて解説します。

がんが発症するメカニズム

前述のように、がんは日本人における死因の第一位です。そのため、多くの人が、がんは「怖い病気」と認識しています。実際に、発症部位によって差はあるものの、がんの発見が遅れると死に至る確率が高くなります。

このようながんは、「がん細胞」が増殖することによって発症します。そして、このようながん細胞は、日常的に発生しています。つまり、がんは「誰もがなり得る病気である」といえます。

がんとは

人間の体は、数え切れないほど多くの細胞で成り立っています。このような細胞の数はいまだ解明されておらず、37兆個や60兆個などのさまざまな説があります。とはいえ、人体には、一生かけても数えることができないほど多くの細胞が存在しているということには変わりありません。

このような細胞には、「分裂できるもの」と「分裂できないもの」の2種類があります。そして、分裂できる細胞のうち、代表的なものは表皮や肝臓などの細胞です。

例えば、表皮の奥では常に新しい細胞が作られています。このような細胞は時間をかけて表面へと押し出されていき、表皮の中で寿命を迎えます。また、このようにして死んだ細胞は、表皮の角質を形成し、さまざまな刺激や外敵などから体を守ります。

そして、このようにして角質となった細胞は、やがて垢となり剥がれ落ちていきます。このような一定期間で細胞の入れ替わりが起こる組織を「生理的再生系組織」といいます。

このような生理的再生系組織は、誕生から一定期間が経過すると「新しい細胞に役割を任せるため」に死んでいきます。このような細胞の自死を「アポトーシス」といいます。

このようなアポトーシスが起こらなくなると、組織の正常な働きが阻害されます。例えば、表皮の細胞が死ぬことをやめて増え続けると、周囲の組織を圧迫してさまざまな機能の低下を起こします。そのため、一部の細胞は、人体の恒常性を保つために「自ら死を選ぶ性質」を持ち合わせています。

また通常、肝臓の細胞はほとんど増えません。一方で、肝臓の一部を切除した場合などの「緊急事態」には、活発に細胞分裂が行われます。このような「特定の条件下で細胞分裂が活発化する組織」を「条件的再生系組織」といいます。

そして、神経細胞や心筋細胞、目の細胞などは、基本的に分裂を行うことはありません。そのため、このような細胞が寿命を迎えると、これら細胞が形成している組織の機能が失われます。このような組織を「非再生系組織」といいます。

このように、細胞にはそれぞれの性質があります。そして、このような細胞の性質は、「DNA」という設計図を元に決められています。そのため、何らかの理由でDNAが壊れると、細胞の性質が変わってしまい、アポトーシスを起こさなくなったり延々と分裂したりすることがあります。

このようにして生じた異常な細胞は、増殖を繰り返したり膨らんでいったりしていき、やがて大きな塊となることがあります。このような塊を「腫瘍(しゅよう)」といいます。

このような腫瘍には、「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」の二種類があります。良性腫瘍は、まわりの組織に食い込む性質がなく、他の場所に「飛び火」しない腫瘍です。そのため、良性腫瘍は、外科手術で摘出することによって完治することがほとんどです。

これに対して、悪性腫瘍はまわりの組織の領域を犯しながら増殖していきます。これが、一般的に「がん」と呼ばれる病気です。そして、このような悪性腫瘍を形成している細胞を「がん細胞」といいます。このような悪性腫瘍は、身体の離れた場所に「飛び火」する性質をもちます。このような体内における悪性腫瘍の飛び火を「転移」といいます。

なぜがんが発症するのか?

前述のように、がんを発症させる「がん細胞」は、細胞のDNAに傷がつくことによって生じます。そして、「がん」は、このようながん細胞が異常な増殖をすることによって発症します。

ただ、このような「DNAの傷」は、体内で常に発生しています。というのも、このようなDNAの傷は、「フリーラジカル」や有害物質などの影響によって生じるためです。

フリーラジカルとは、自身を安定させるために周辺組織の一部を奪い取る性質をもつ物質のことをいいます。このような「触れた対象を壊す作用」のことを「酸化作用」といいます。また、このようなフリーラジカルにおける代表的なものの1つが、「活性酸素」です。

活性酸素は、非常に不安定な状態となった酸素であり、強力な酸化作用を呈します。そのため、活性酸素に触れた細胞は、傷がついて機能が低下します。

そして、このような活性酸素は、体内で頻繁に発生しています。例えば、細胞は、血液から受け取ったエネルギー源を酸素と反応させて燃やしています。このとき、使われた酸素の多くは、二酸化炭素となります。ただ、細胞が酸素や栄養素などが不足した状態で活動を行うと、「不完全燃焼」が起こって活性酸素が発生します。

また、ウイルスや細胞などの脅威から体を守っている「免疫細胞」は、活性酸素を放出することによってこれらを退治しています。さらに、このようにしてウイルスが死ぬと、これが分解されて活性酸素が生じます。そして、空から降り注いでいる紫外線や放射線などを浴びることによっても活性酸素が発生します。

このように、活性酸素は、ただ生きているだけでも体内に生じます。そのため、活性酸素による細胞のDNA破壊は日常的に起こっており、これを完全に止めることは不可能といえます。

とはいえ、このようにしてDNAが破壊されたままになると、体はすぐに活動できなくなります。そのため人体には、細胞のDNAを修復する酵素が存在しています。

ただ、酵素の修復機能が低下していたり、DNAが壊れた細胞が多くなったりすると、修復機能が追いつかなくなることがあります。このような壊れた細胞が分裂すると、「本来の性質とは異なる活動をする細胞」が生まれることがあります

多くの場合、このようにして生じた異常な細胞は自分で死んでいきます。ただ、このとき、何らかの理由で細胞が自死を起こさない場合があります。このようにして生き延びた「異常な細胞」のうち、悪性腫瘍を形作るものが「がん細胞」です。

とはいえ、このようながん細胞が生じたからといって、すぐにがんが発症するわけではありません。というのも、体内にはこのような異常細胞を殺す仕組みが備わっているためです。

具体的には、免疫細胞の1つである「ナチュラルキラー細胞」がこの役割を担っています。このようなナチュラルキラー細胞は体内を常にパトロールしており、ウイルスに感染した細胞やがん細胞などの「異常な細胞」を見つけると、その場で殺す働きをしています。そのため、がん細胞が生じても、このようなナチュラルキラー細胞の働きによってがんの発症を防いでいます。

ただ、このようなナチュラルキラー細胞の能力を超えてがん細胞が発生すると、がん細胞は生き延びやすくなります。すると、異常に増殖して、まわりの組織を壊しながら悪性腫瘍(がん)を形成することになります。

このように、人体にはがんを防ぐためのさまざまな「セーフティネット」があります。そして、がん細胞の発生スピードがこのようなセーフティネットを超えると、がんが発症します。

がんと遺伝子の関係性

正常な細胞は、ある一定の法則に基づき、「必要性のある時」のみ分裂を行います。例えば、生理的再生組織における細胞は、寿命がくる前に分裂して新しい細胞を生み出します。そして、この細胞が担っていた役割を新しい細胞に任せて死んでいきます。これによって、体の細胞を「新鮮さ」を保ち、さまざまな機能を正常に行えるようになります。

このような細胞分裂は、「細胞増殖を引き起こす因子となるタンパク質」が、細胞表面の「増殖因子受容体」にくっつくことによって起こります。そのため、「細胞増殖因子」は、細胞分裂を起こす「スイッチ」と言い換えることができます。

このような細胞増殖因子は、DNA内に存在している「特定の遺伝子」によって作られます。遺伝子とは、「人体の設計図」であるDNAのうち、タンパク質の作り方が記録されている部分のことをいいます。

通常、このような細胞分裂に関わる遺伝子は、前述のような「細胞分裂が必要になったとき」に細胞増殖因子を作ります。ただ、このような遺伝子に異変が起こると、細胞分裂が必要ではないときにも細胞増殖因子を作ったり、強力な細胞増殖因子を作ったりすることがあります。

このようにして細胞増殖因子の働きが強くなると、それに応じて不要な細胞分裂が行われるようになります。そのため、DNA内の「細胞増殖因子を作る遺伝子」に異常が生じると、がんが発症しやすくなります。このようなことから、傷がついて細胞増殖因子の働きを異常に強めるようになった遺伝子は、「がん遺伝子」と呼ばれています。

また、DNAの中には、「細胞分裂を抑制する因子となるタンパク質」を作る遺伝子も存在しています。このような遺伝子は、がん細胞の異常分裂を阻止することから「がん抑制遺伝子」と呼ばれています。

このようながん抑制遺伝子は、すべての細胞内に存在しています。そして、この遺伝子は、過剰な細胞分裂を防いだりDNAの修復を行ったり、細胞の自死を促したりする働きがあります。そのため、がん抑制遺伝子には、細胞のがん化を抑制したりがん細胞となる前に異常細胞を死なせたりする働きがあるため、がんの発症を防ぐ作用があるといえます。

ただ、このようながん抑制遺伝子に傷がつくと、これらの働きが弱くなることがあります。すると、DNAに異常のある細胞が分裂しやすくなるため、がん細胞が生じるリスクが高くなります。つまり、がん抑制遺伝子に傷がつくと、がんの発症リスクが高くなるということです。

このように、がんの発症には、特定の遺伝子が深く関与しています。そのため、このような遺伝子に異変が起こると、がんが発症しやすくなります。

がんの「発症しやすさ」は遺伝する

前述のように、がん発症の原因となるDNAの傷は、活性酸素や有害物質などによって生じます。一方で、生まれながらにしてがん抑制遺伝子に傷がついている人もいます。

というのも、このような遺伝子は、父親と母親から一つずつ受け取ります。そのため、すべての人は、このようながん抑制遺伝子を2つもっていることになります。ただこのとき、親がもつ2つのがん抑制遺伝子のうち、片方もしくは両方が傷ついていると、子供に傷ついたがん抑制遺伝子が引き継がれることがあります。

このようにしてがん抑制遺伝子に先天的に傷がついていると、子供ががんを発症するリスクは高くなります。特に、父と母の両方から傷ついたがん抑制遺伝子をもらった人は、この遺伝子によるがんの抑止力が少ない、もしくは全くないことになります。このようなことから、近親者にがんになった人がいる場合、がんが発症するリスクが高いとされています。

ただ、このようながん抑制遺伝子は、一種類ではありません。そのため、1つのがん抑制遺伝子に傷がついていたとしても、他のがん抑制遺伝子に傷がついていなければ、がんの抑止力は働くということになります。

とはいえ、「がん抑制遺伝子に傷がついている人は、がんの発症リスクが高い」ということに変わりはありません。そのため、このような人は、後述のような「がんを発症させない生活習慣」を心がけることが大切です。

がん細胞には優先的に栄養が送られる

前述のように、がん細胞は、正常な細胞とは異なる性質をもちます。このような性質の1つが「血管新生」です。

通常、血管ができるためには、「血管を作る細胞」が分裂して仕事を果たす必要があります。そして、このような細胞は、DNAの「設計通り」に活動します。そのため、「血管を作る細胞」は、所構わず血管を作るわけではありません。

これに対してがん細胞は、増殖してある一定の大きさの腫瘍を形作ると、血管を新しく作って血液を腫瘍内部に引き込み始めます。このようにして腫瘍内部に血液が流れるようになると、血液を介してがん細胞が全身に移動しやすくなります。

そして、このようにして移動したがん細胞は、移動先で再び分裂し、腫瘍を形成します。つまり、血管新生が起こると、がんの転移リスクが上昇するということです。

また、がん細胞が血管新生を行うと、血液によって腫瘍内部に酸素や栄養素などが供給されるようになるため、がんの進行スピードが早くなります。さらに、このようにして血管を作ったがん細胞は、炎症を引き起こす性質をもつ「サイトカイン」という物質を放出し始めます。

本来、このような炎症性サイトカインは、異物が侵入した際などに放出されます。というのも、炎症性サイトカインが放出されると、周辺部位に炎症が起こり、血液が大量に送り込まれるようになります。

そのため、サイトカインが放出されてこのような作用が生じると、免疫細胞がウイルスなどの元にたどり着きやすくなるため速やかに外敵を退治することができるようになります。

ただ、がん細胞が炎症性サイトカインを放出すると、悪性腫瘍の周辺に炎症が起きることになります。すると、悪性腫瘍付近の血管が拡張して、血液が優先的に送られるようになります。このようにして悪性腫瘍がたくさんの血液を受け取るようになると、その分だけがん細胞への酸素・栄養素の供給量が増えることになります。

そして、このような酸素や栄養素などは、細胞の分裂に必要不可欠です。そのため、悪性腫瘍への血流が増加すると、がん細胞の分裂が促進されやすくなります。つまり、がんが進行しやすくなるということです。

さらに、このようにして悪性腫瘍へ優先的に酸素・栄養素が送られるようになると、他の器官や組織などへの供給量が足りなくなります。

すると、これら組織が働きづらくなり、機能の低下や疲労感などのさまざまな症状が起こって衰弱が始まります。この状態が進行すると、生命維持に必要な分のエネルギーを生み出すことができなくなり、やがて死に至ります。

そして、前述のように、悪性腫瘍はまわりに食い込みながら大きくなります。そのため、血管新生が起こって悪性腫瘍の増大スピードが早くなると、その分だけまわりの組織が破壊されやすくなります。すると、破壊された部位は正常な働きを維持できなくなります。

例えば、胃や腸などの消化器官にがんが生じた場合、これら器官の正常な細胞が侵されて壊れることによって消化機能が落ちたりこれら器官から出血したりします。これを言い換えると、このような症状が現れているときには、「悪性腫瘍がまわりの組織を壊すほど大きくなっている」ということです。そのため、がんによる自覚症状が出ているときには、がんが進行していることがほとんどです。

がん進行度の基準

がんの進行度を表す単位に、「ステージ」という言葉が使われているのは有名です。とはいえ、このような「ステージ」がどのような基準で使われているかまでは知らない人が多いです。

がんの進行度は、ステージⅠ~Ⅳで表現されます。また、がんの種類によっては、ステージ0も存在します。

ステージ0は、がん細胞が組織の表面にとどまっている状態です。これに対して、ステージⅠは、がん細胞が組織の表面を侵し、筋肉層までたどり着いている状態をいいます。これらのステージでは、がんによる自覚症状が少なく、比較的悪性腫瘍を取り除きやすいです。そのため、ステージ0~Ⅰのがんは、外科手術によって治ることが多いです。

これに対して、ステージⅡは筋肉の層を超えて悪性腫瘍が拡大している状態を指します。また、がん細胞が少しリンパ節に転移している状態もステージⅡとされます。そして、ステージⅢは、がん細胞がリンパ節に転移している状態です。

このようにしてがん細胞がリンパ節に転移すると、離れた他の器官への転移が起こりやすくなります。というのも、リンパ節とは、リンパ管の途中に存在している組織です。

そして、リンパ節にはリンパという液体が流れており、全身の細胞から老廃物を回収する役割を担っています。そのため、がん細胞がリンパ節に転移してリンパの流れにのると、がん細胞が全身へばらまかれることになります。

このようにしてがん細胞が離れた他の組織にたどり着くと、そこで増殖を始めることがあります。また、このようにして悪性腫瘍がもともとの場所ではないところにできることを「転移」といいます。そして、転移が確認されると「ステージⅣ」と診断されます。

ステージⅣであるということは、「腫瘍」が生じていない場所にもがん細胞が転移している可能性があるということです。そのため、ステージⅣになると、手術によってすべてのがん細胞を摘出するのがほぼ不可能です。

また、がん治療の1つである「放射線治療」も、摘出手術と同様にがん細胞へ局所的にアプローチする治療方法です。そのため、全身にがん細胞が広がっているステージⅣでは、放射線治療によってすべてのがん細胞を殺すことは困難です。

さらに、ステージⅣになっているということは、がん細胞の数がかなり多い状態であるということです。そして、細胞の数が多いということは、それだけ「増えやすい」ということになります。

というのも、1個の細胞が一回分裂すると2個の細胞になります。これに対して、2個の細胞が同時に分裂すると、細胞の数は4個となり、4個の細胞が分裂すると8個となります。このように細胞は、母数が多いほど増えるスピードが多くなります。そのため、がんは、後期になるほど進行スピードが早くなっていきます。

このようなことから、がんがステージⅣにまで至ると、生存率が大きく下がります。一方で、ステージⅠなどの早い段階で対処すると、がん治療が成功しやすいです。そのため、がんによる死を防ぐためには、定期的に健診を受け、なるべく早い段階で対処することがもっとも大切といえます。

がんの「完治」とは

前述のように、がんは進行度が低いうちに対処するほど、治療が成功しやすくなります。このような治療成功の目安として、「5年生存率」というものがあります。

5年生存率とは、がんの診断から5年後の生存率のことをいいます。一般的に、このような生存率が高いほど「がんが治りやすい」とされています。ただ、厳密にいうと、がん治療が成功して5年間生存したとしても、「がんが完治した」とはいえません。

というのも、悪性腫瘍は小さすぎると見つけることができません。そのため、がん治療を行って見かけ上の悪性腫瘍がなくなっても、「悪性腫瘍の種」となるがん細胞が残っていることがあります。

このようながん細胞は、一度悪性腫瘍となったものであるため、増殖スピードが早いことが多いです。そのため、多くの場合、治療から5年以内に再び悪性腫瘍となって見つかります。このような状態を「がんの再発」といいます。

一方で、治療から5年経ってもがんが再発しないということは、「悪性腫瘍を形成するがん細胞が存在しない」とみなすことができます。そのため、がんの治療から5年間がんの再発が起こらないと、「がんが治った」と表現されます。

ただ、がんの種類やがん細胞の性質などによっては、5年以上の時間をかけて増殖するものがあります。そのため、「がんが治った」とされていても、「がんが再発する可能性はゼロではない」ということを認識する必要があります。

このようなことから、がんが発症したら、治った後も定期的に検査を行うことが大切です。そして、再発の可能性を限りなく減らすためにも、がんが発症しにくい生活を継続していく必要があります。

青汁とがんの関連性を調べた実験

前述のように、がんは日本人の死因第一位となるほど危険性の高い病気です。そのため、病気による死を防ぐためには、がんを予防することが大切です。

また、定期的にがん検査を受け、進行度が低い段階で対処することも重要です。そして、がんの治療を行ったら、がんの再発を防ぐ生活習慣を心がける必要があります。

このような中、青汁には、がん細胞の増殖を抑えたりがんの転移を防いだりする効果があることが、実験によって明らかになっています。

そこで、以下に青汁とがんの関連性を調べた実験について、具体的に述べていきます。

青汁はがん細胞の増殖を直接的に抑制する

青汁には、がん細胞と触れることによって、がん細胞の増殖を抑える効果があることが人の胃がん細胞を使った実験で明らかになりました。

このような実験では、体から胃がん細胞を取り出し、「青汁を触れた状態」と「そのままの状態」の2つを用意し、これらを観察して行われました。具体的には、これら2パターンで、がん細胞における増殖の程度を比較しました。

そして、この実験では、「青汁を加えた胃がん細胞は何も加えていない方と比較して、72時間後におけるがん細胞の増殖数が半分以下になる」という結果が得られました。

この実験から、青汁には直接的にがん細胞の増殖を抑える効果があることが明らかになりました。つまり、がん細胞に青汁が触れると、そのがん細胞は増殖が抑制されるといえます。

このような中、口から飲んだ青汁は、食道や胃といった消化器官を通って腸内に入ります。そして、このような過程では、青汁が食道や胃などのさまざまな器官に触れることになります。

そのため、もし食道や胃などにがん細胞があった場合には、青汁がそのがん細胞に触れることで、がん細胞の増殖を抑制する効果が期待できるということになります。

青汁はがんの転移を抑制する

青汁には、がんの転移を抑える作用があることもマウスを利用した実験で明らかになりました。具体的には、マウスを「青汁を飲ませたグループ」と「青汁を飲ませていないグループ」の2つに分けて、それぞれに皮膚がんの細胞を移植しました。そして、その後に皮膚がん細胞の転移度合いについて観察しました。

その結果、がん細胞の移植から6週間後に、青汁を与えていなかったグループのマウスには、青汁を与えたグループの約4倍ものがん細胞が肺で確認できました。つまり、青汁を飲んでいなかったマウスの肺に、皮膚がんが多く転移したということです。

このような実験結果から、青汁にはがんの転移を抑える効果があることが明らかになりました。そのため、青汁を飲むと、がん転移が抑制されることが期待できるといえます。

青汁ががんに効果的な理由

前述のように、青汁には、がん細胞の増殖を抑えたりがんの転移を防いだりする効果があります。これは、青汁に含まれる栄養素や成分などによるものです。

そして、これらの栄養素・成分は、それぞれ働きや性質などが異なります。そのため、さまざまな抗がん成分が含まれている青汁は、がん予防に対して「多角的にアプローチする飲料である」といえます。そこで、以下に青汁ががんに効く具体的な理由について述べていきます。

フリーラジカルの消去に役立つ成分が豊富に含まれている

すでに述べたように、がん細胞はフリーラジカルなどの影響によって発生しやすくなります。そして、このようなフリーラジカルは、体内の抗酸化酵素によって消去されています。そのため、抗酸化酵素の働きが低下すると、フリーラジカルが消去されにくくなることによってがん細胞が発生しやすくなります。

そして、このような抗酸化酵素は、亜鉛や銅などのミネラルを材料に作られます。そのため、これら栄養素が足りなくなると、抗酸化酵素の働きが低下してがんの発症リスクが高くなります。

このような中、青汁には亜鉛や銅などのミネラルが豊富に含まれています。そのため、青汁を習慣的に飲むと、ミネラル不足による抗酸化酵素の機能低下を防ぐことができます。

また、青汁には、ビタミンCやビタミンE、ビタミンB2などの抗酸化作用のあるビタミンも豊富に含まれています。さらに、青汁に含まれているβカロテンは、それ自体に抗酸化作用があるだけではなく、体内で抗酸化ビタミンであるビタミンAに変化します。

そのため、青汁を飲むと、これらビタミンの補給によって体内のフリーラジカルが消去されやすくなります。

さらに、青汁には「ポリフェノール」も豊富に含まれています。ポリフェノールとは、植物にしか含まれていない野菜成分のことです。

そして、このようなポリフェノールには強い抗酸化作用があるため、習慣的にポリフェノールを摂取すると体内のフリーラジカルが消去されやすくなります。

このように、青汁にはフリーラジカルの消去を助けるさまざまな栄養素・成分が含まれています。そのため、習慣的に青汁を飲むと、フリーラジカルによるがん細胞の発生が起こりにくくなり、結果としてがんが発症しにくくなります。

免疫力を強化する成分が含まれている

前述のように、人体にはがんの発症を防ぐさまざまな仕組みが備わっています。その中でも、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞には、がん細胞を殺すという働きによってがんの発症を直接的に防ぐ働きがあります。

そのため、免疫力が下がってナチュラルキラー細胞の働きが低下すると、がん細胞が生き延びやすくなってがんが発症しやすくなります。このようなことから、がんの発症を防ぐためには、免疫力を上げることが大切であることがわかります。

このような中、青汁には免疫力を高めるさまざまな成分が含まれています。例えば、青汁に含まれているビタミンB群は、糖質や脂質などのエネルギー源を燃やす際に必要な栄養素です。そのため、青汁によってビタミンB群を補給することによって、体が温まりやすくなります。

このようにして体が温まると、ナチュラルキラー細胞の働きが高まってがんが発症しにくくなります。これは、免疫細胞の働きは体温が高いほど活動が活発になるためです。

また、体が温まると、血行が良くなります。すると、血液によって移動するナチュラルキラー細胞ががん細胞と出会いやすくなり、がんが発症しにくくなります。このようなことから、青汁に含まれているビタミンB群は、体を温めて免疫力を向上させるといえます。

さらに、このようなビタミンB群のうち、ビタミンB6は「セロトニン」という神経伝達物質の合成に欠かせない栄養素です。このようなセロトニンには、ストレスに強い体質を作る働きがあります。

そして、ストレスは免疫力を下げる大きな要因の1つです。というのも、ストレスがあると、体は「戦闘モード」となります。これは、自然界では、ストレスが生じている状況は生命の危機であることがほとんどであるためです。

そのため、私たちの身体は、ストレスと感じるとこの状況を解決するために、身体のパフォーマンスを一時的に向上させます。具体的には、自律神経の1つである「「交感神経」という神経系が働いたり、副腎から「コルチゾール」というホルモンが分泌されたりします。

交感神経が働くと、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞は、「リンパ節」という組織に留まりやすくなります。このようにしてナチュラルキラー細胞が移動しにくくなると、その分だけがん細胞と出会いにくくなります。そのため、ストレスによって交感神経が働き続けると、がん細胞が生き延びやすくなってがんが発症しやすくなります。

また、コルチゾールには、ストレスに対抗するための身体を作るために、免疫力を低下させるという働きがあります。そのため、ストレスによってコルチゾールの分泌量が多かったり長く続いたりすると、免疫力が下がってがんの発症率が上がります。

さらに、交感神経の働きが長期間に及ぶと、血液の流れが偏りやすくなります。というのも、前述のように交感神経には、「ストレスに強い体を作る」という作用があります。そのため、交感神経が働くと、脳や腕、脚などに優先的に血液が送られるようになります。

一方で、「ストレスの原因を解決するために、今働く必要はない組織」である消化器官などへの血流は後回しとなります。そのため、交感神経が働くと、このような組織の血行が悪くなります。

血行不良になると、細胞が酸素や栄養素などを受け取りにくくなるため、正常な活動が行われにくくなります。すると、細胞による熱の産生が行われにくくなり、体が冷えやすくなります。

そして、このようにして慢性的に体が冷えると、がん細胞の活動が活発になる一方でナチュラルキラー細胞の働きが低下します。そのため、血行不良になると、免疫力が低下してがんが発症しやすくなります。

このように、ストレスは免疫力を低下させて、がんを発症させやすくします。そのため、ビタミンB6が不足することによってセロトニンの合成が行われにくくなると、ストレスに弱くなって免疫力が下がりやすくなります。つまり、がんが発症しやすくなるということです。

このような中、青汁にはビタミンB6も豊富に含まれています。そのため、青汁を飲むと、ストレスに弱くなって免疫力が上がりやすくなるといえます。

そして、青汁には、食物繊維も豊富に含んでいます。食物繊維とは、人体で消化吸収できない成分のことです。そのため、食物繊維を摂ると、ほとんどが便となるため便のかさが増えます。

また、水に溶ける性質がある食物繊維には、便を柔らかくする作用があります。そのため、このような食物繊維を摂ると、排便が行いやすくなるため便秘を予防・解消しやすくなります。

このような中、便秘は免疫力を下げる要因となります。というのも、腸内には数え切れないほど多くの細菌が住み着いています。このような細菌は、「腸内細菌」と呼ばれます。

また、このような腸内細菌は、身体に有益な働きをする「善玉菌」と体に有害な物質を作る「悪玉菌」、状況によって性質が変わる「日和見菌」に大別されます。

このうち、善玉菌には免疫細胞の働きを活性化させる働きがあります。一方で、悪玉菌は、ナチュラルキラー細胞などの働きを間接的に弱める物質を放出します。

そして、善玉菌は食物繊維をエサとするのに対して、悪玉菌はさまざまな物質をエサとすることができます。そのため、便秘になると、悪玉菌に長時間えさを与え続けることとなり、悪玉菌が増加しやすくなります。

このようにして悪玉菌が増加すると、悪玉菌に追いやられて善玉菌の数が減少します。そのため、便秘になると、善玉菌が減ったり悪玉菌が増えたりすることによって免疫力が低下し、がんが発症しやすくなります。

このようなことから、便秘を防いだり予防したりする効果のある食物繊維には、間接的に免疫力を向上させてがんを発症させにくくするということがわかります。

がんの発症を直接的に予防する成分が含まれている

市販青汁の中には、明日葉を原料としているものが少なくありません。このような明日葉には栄養素が豊富に含まれているため、明日葉を使用した青汁にはこれまでに述べたような抗がん作用があります。

さらに、明日葉には、特有のポリフェノールである「カルコン」が含まれています。このようなカルコンには、がん細胞の血管新生を阻害する作用があることがわかっています。

このようにしてがん細胞による血管新生が抑えられると、その分だけがん細胞に酸素や栄養素などが届けられにくくなります。そのため、カルコンによってがん細胞の血管新生が抑制されると、がん細胞を増殖しにくくし、がんの悪化を抑えることができるといえます。

また、前述のように、がん細胞は血液などにのって転移します。そのため、がん細胞による血管新生が起こりにくくなると、がん細胞が転移するリスクが低くなります。このようなことから、カルコンにはがんの転移を抑制する働きもあることがわかります。

このように、青汁の材料として使用されることの多い明日葉には、がんの予防や悪化、転移などに効果的な成分が含まれています。そのため、明日葉で作られた青汁を習慣的に飲むと、がんが発症しにくくなることが期待できます。

また、緑茶などに含まれているカテキンには、がん細胞のアポトーシスを促す作用があることが確認されています。このようにしてがん細胞が自死を起こすと、その分だけがん細胞が増殖しにくくなるためがんが発症しにくくなります。

そして、このようなカテキンは、市販の青汁に添加されていることが少なくありません。というのも、緑茶の風味は青汁と相性がよく、合わせることによって飲みやすく仕上がりやすいです。

また、カテキンにさまざまな健康効果があることは有名です。そのため、市販の青汁は、カテキンを添加することで青汁のもつ健康効果を高めていることが多いです。このようなことから、カテキンが添加されている青汁は、特にがん発症リスクを下げやすくするといえます。

さらに、セロリやピーマンなどに含まれている黄色い色素であるアピゲニンにも、がん細胞を「自ら死ぬ機能をもつ細胞」に作り変えるという作用があることが判明しています。そのため、カテキンやアピゲニンなどを摂ると、がんの発症や進行などを防ぐことが期待できるといわれています。

このようなアピゲニンは、さまざまな野菜に含まれています。そのため、野菜が原料である青汁には、アピゲニンが含まれていることによってがんの発症リスクを抑える効果が期待できるといえます。

このように、野菜などに含まれるポリフェノールの中には、がんに直接アプローチするものがあります。そして、青汁はこのようなポリフェノールを豊富に含んでいます。そのため、日常生活に青汁をとりいれると、がんの発症リスクが下がることが期待できます。

これまでに述べたように、青汁にはがんの発症リスクを下げやすくするさまざまな成分が含まれています。そのため、継続して青汁を飲むことによって、がんが発症しにくくなることが期待できるといえます。

ただ、がんはさまざまな要因が複雑に絡み合うことによって発症します。そのため、青汁を飲めば、がんが確実に予防できたり治せたりするというわけではありません。そして、がんを予防するためには、さまざまな生活習慣を改めることが必要となります。

とはいえ、青汁には、がんを発症しにくくしたり、がんの進行や転移などが起こりにくくしたりする成分が含まれていることは事実です。そのため、がん対策のための生活習慣における見直しの一環として、青汁の常飲をおすすめします。