青汁は、身体に必要な栄養素が豊富に含まれている健康食品として有名です。ただ、同じ青汁であっても、商品によって含まれている有効成分に差があります。また、原料が育った環境によっては、有害な物質が含まれていることもあります。そのため、青汁の選び方を誤ると、飲用を続けても健康効果が十分に発揮されないことがあります。

このようなことから、青汁の効果を実感するためには、品質が良く自分に適した商品を選ぶことが大切です。特に、「青汁の原料」や「原材料の産地」、「原料の栽培に使われた農薬の量」には、十分に注意する必要があります。

そこで今回は、「青汁を購入する際に確認すべきポイント」について解説します。

青汁に使われている材料

青汁とは、生の緑黄色野菜を絞って作った汁のことをいいます。そのため、青汁は水菜やセロリ、大根の葉、小松菜などのスーパーで売っている野菜を使って自宅で作ることができます。

これに対して、健康食品として売られている青汁には、主にや「ケール」「大麦若葉」「明日葉(あしたば)」などが原料として使われています。

これら3つの野菜は、一般的なスーパーでは手に入らず、野菜として食べられることもあまりありません。ただ、他の野菜と比較して栄養が豊富であり、美容や健康効果が高いという特徴があります。

そこで、以下に青汁の3大原料それぞれについて解説します。

ケール

ケールは、現在食べられているほとんどの野菜における「先祖」にあたります。というのも、世界中でよく食べられているキャベツやブロッコリー、大根などの野菜は、すべてアブラナ科の植物です。そして、ケールはこの中でもっとも原種に近い野菜であり、前述のような野菜は、ケールを品種改良することによって誕生したという経緯があります。

ただ、野菜における品種改良の多くは、食べやすい味や風味などに改善するために行われます。そのため、品種改良を重ねると、含まれる栄養素が減少していきやすいことがわかっています。

このようなことから、野生の原種に近いケールには、品種改良された野菜であるブロッコリーやキャベツなど他の野菜に比べて「かなり栄養価が高い」という特長があります。

例えば、ケールには、各種ビタミンやβカロテン、カルシウム、食物繊維などのさまざまな栄養素が豊富に含まれています。また、この中でも、βカロテンとカルシウムの含有量は、他の野菜に比べて非常に多いです。

例えば、ケールに含まれているβカロテンは、この成分をたくさん含んでいることで有名なニンジンの2倍近い数値です。

このようなβカロテンは、「プロビタミンA」と呼ばれており、体内でビタミンAに変換されて利用されます。そして、ビタミンAは目や皮膚、粘膜の健康維持に欠かせない栄養素です。

ビタミンAは、魚や肉などにも含まれています。ただ、これらが含有するビタミンAは脂溶性です。そのため、短期間にたくさん摂り過ぎると、頭痛や脱毛、筋肉痛などの過剰症が起こります。さらに、妊娠中の女性が過剰に摂取すると、胎児に奇形が起こりやすいことが報告されています。

これに対してβカロテンは、体内で必要な分だけをビタミンAに変換して利用するため、前述のような過剰症は起こりません。そのため、βカロテンを含む野菜は積極的に摂ることが推奨されています。

また、ケールには、牛乳の2倍以上のカルシウムが含まれています。さらに、ケールに含まれているカルシウムの吸収率は、牛乳に比べて1.3倍程度であるという研究結果があります。

カルシウムは、骨や歯などを形成している成分です。また、ホルモンの分泌や血液の凝固、筋肉の収縮、神経伝達などの、身体におけるさまざまな働きに関与しています。

さらに、これら生理機能を正常に行うためのカルシウムが不足すると、骨から溶けて血液中に補われることになります。そのため、慢性的にカルシウムが不足すると、骨の密度が低下してもろくなってしまいます。

特に、閉経後の女性には、このような症状が起こりやすいことが知られています。というのも、女性ホルモンの1つである「エストロゲン」には、カルシウムの吸収を促したり血液中のカルシウムを骨に取り込ませたりする働きがあります。

このようなエストロゲンの多くは、発育した「卵胞」から分泌されます。卵胞とは、排卵前の卵子を包んでいる袋のことです。そのため、加齢などによる卵巣機能の低下によって排卵が行われなくなると、エストロゲンの分泌量が大きく減少します。

すると、これによってカルシウムがうまく吸収できなくなり、骨から溶け出したカルシウムが流出したままになりやすくなります。そのため、閉経後の女性は、骨密度の低下によって骨折しやすくなります。

このようなことから、カルシウムは積極的に摂取するべき栄養素とされています。さらに、カルシウムは吸収率の低い栄養素であり、成人における通常の食事では約25%程度しか身体に取り入れられていないといわれています。そのため、吸収率の高いケールは、このようなカルシウムを補給するために有効な野菜といえます。

他にも、ケールには、ルテインやメラトニン、食物繊維などの機能性成分が含まれていることも明らかになっています。

ルテインとは、キャベツやほうれん草、卵黄などに含まれている黄色の色素です。強力な抗酸化作用をもっており、紫外線や老化から目を守る働きがあります。

また、メラトニンとは眠りを誘発するホルモンであり、人が安眠するために欠かせないものです。そのため、ケールによってメラトニンを補給することで、眠りにつきやすくなることが期待できるといわれています。

さらに、ケールには大量の食物繊維が含まれています。食物繊維とは、「人がもつ消化酵素では消化できない食物中の成分」と定義されており、「6つめの栄養素」として注目を浴びている栄養素です。

ただ、実際には、食物繊維は「栄養素」ではありません。というのも、「栄養素」とは、エネルギー源になったり生理機能に欠かせない成分であったりする炭水化物やタンパク質、脂質ビタミン、ミネラルなどの5大栄養素のことを指します。

これに対して、食物繊維は、長い間人間の生理機能には関係のない成分とされていました。ただ、近年になってさまざまな生理作用が確認されたため、「栄養素」ではないものの、身体の健康維持に不可欠な成分として「日本人の食事摂取基準」に摂取目安量が記載されるようになりました。

このような食物繊維は、水に溶けない性質をもつ「不溶性食物繊維」と、水に溶ける性質をもつ「水溶性食物繊維」に大別されます。

不溶性食物繊維には、腸を刺激して蠕動運動を促したり、便のかさを増やしたりする働きがあります。そのため、不溶性食物繊維には、便秘を防いだり改善したりする効果があります。

また、摂取した水溶性食物繊維は、消化器官内で水分を吸収して膨張します。そのため、このような食物繊維が含まれる食事を摂ると、満腹感が得やすくなったり腹持ちが良くなったりします。

さらに、水溶性食物繊維が膨むと、摂取したエネルギー源が消化酵素と触れにくくなるため、糖質の吸収スピードを緩やかにしたり脂質の吸収を抑えたりする働きもあります。

このように、ケールは、他の青汁原料に比べて特に栄養価が高い野菜です。そのため、ケールを継続的に摂取することによって、美肌や便秘改善、アンチエイジング(老化防止)、がん・生活習慣病予防などの効果が期待できるといわれています。

ただ、ケールには、独特の臭みと強い苦味があります。そのため、これを原料とした青汁は、他の原料のものに比べて飲みづらいです。

大麦若葉

大麦は、麦飯や麦茶、ビールなどの原料となる穀物です。また、このような大麦の若い葉は「大麦若葉」と呼ばれ、青汁の主な原材料となっています。

というのも、大麦の葉には、さまざまなビタミンやミネラルなどが含まれています。また、三大栄養素である「タンパク質」や「脂質」、「炭水化物」なども含まれているため、他の野菜に比べて栄養バランスが良いです。特に、大麦が穂を付ける前である20~30cm程度の若葉は、このような栄養素を多く含んでいます。

このような大麦若葉には、これらの3大栄養素以外にも、さまざまな栄養素が含有されています。例えば、大麦若葉を摂取することで、前述のようなβカロテンや食物繊維、カルシウムなどが補給できます。

また、ビタミンCや葉酸、ナイアシンなどのビタミン類、カリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

ビタミンCは抗酸化作用の強いビタミンであり、体内でさまざまな組織の酸化を防いでいます。また、コラーゲンの合成やホルモンの生成、鉄の吸収をサポートする働きもあります。さらに、メラニン色素の生成を抑える作用があることから、美白効果のある成分として知られています。

このようなビタミンCは水溶性ビタミンであるため、身体に貯めておくことができません。そのため、ビタミンCの効果を実感するためには、こまめに補給する必要があります。

さらに、ビタミンCは水に溶けやすく調理の際に損失しやすい成分です。そのため、効果的に摂取するためには、野菜や果物などを生で食べることが大切です。このようなことから、大麦若葉を絞って作られた青汁は、ビタミンCの補給に適した食品といえます。

また、前述のように、大麦若葉には葉酸やナイアシン、パントテン酸などのビタミンB群が多く含まれています。これらのうち、ナイアシンやパントテン酸などは、エネルギーの生成に必要不可欠な成分です。

具体的には、ナイアシンは糖質や脂質などにおけるエネルギーへの変換やアルコールの分解を助ける働きがあります。また、パントテン酸は、糖質や脂質、タンパク質の代謝に不可欠な成分であり、ホルモンの合成にも関わっています。

また、葉酸は、細胞の生まれ変わりや赤血球の生成などをサポートする働きを担っています。そのため、葉酸が不足することによってこれらが正常に行われないと、代謝が落ちたり貧血になりやすくなったりします。

さらに、妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児に「神経管閉鎖障害」が起こって先天的な障害が起こりやすくなることがわかっています。というのも、妊娠初期に作られる神経管は、発達すると脳や脊髄などになります。そのため、このような神経管に障害が発生すると、奇形や生まれつきの下半身マヒなどが生じやすくなります。

このような胎児の神経管は、妊娠の超初期に作られ始めます。そのため、このような障害を防ぐためには、妊娠が分かる前から十分な葉酸を摂取することが大切です。

このように、ビタミンB群はエネルギー代謝や細胞の新生などに必要な成分です。また、ビタミンB群は水溶性ビタミンであるため、こまめに補給する必要があります。そのため、これらが不足している人が大麦若葉を含む青汁を継続的に摂取すると、美肌効果やアンチエイジング効果などが期待できるといえます。

また、大麦若葉に含まれているカリウムやマグネシウムなどは、筋肉の収縮や神経伝達などに関わっています。また、カリウムは、細胞に含まれる水分を調節する役割を担っています。そのため、カリウムを摂取すると、余分な水分が排出されてむくみが解消されやすくなります。

このように大麦若葉には、美容や疲労回復、アンチエイジングに役立つ栄養素が多く含まれています。さらに、大麦若葉には、他の青汁原料には含まれていない成分である「SOD酵素」が含まれています。

SOD酵素には、老化の原因である「活性酸素」を除去する働きがあります。活性酸素とは、日常的に体内で発生している物質です。このような活性酸素は、酸素の代謝過程で生まれたり、ウイルスなどの外敵と戦うために作られたりします。

ただ、活性酸素は不安定な状態である物質です。そのため、体内の健康な細胞と結合して細胞の正常な働きを妨げます。そして、このような現象は「酸化」と呼ばれ、老化や糖尿病や動脈硬化、高血圧などさまざまな病気の原因として知られています。

前述のように、大麦若葉にはこのような酸化を抑えるSOD酵素が豊富に含まれています。そのため、大麦若葉の継続的摂取は、生活習慣病の予防につながることが期待できるといえます。

ただ、大麦若葉の栄養価は、一般的な野菜よりも高いものの、ケールに比べて低めです。とはいえ、大麦若葉にはSOD酵素が豊富に含まれているというメリットとともに、ケールより苦味が少なく、飲みやすいという特長があります。

明日葉(あしたば)

明日葉は、セリ科の植物であり、ニンジンやセロリ、ミツバなどの仲間です。また、トウキやサイコなどの生薬、アニスやコリアンダーなどのハーブもセリ科の植物です。これらには高い薬理作用があることで知られており、仲間である明日葉も強い薬効があると昔から言い伝えられてきました。

このような明日葉には、前述の大麦若葉やケールなどには含まれていない「カルコン」や「クマリン」などという成分が豊富に含まれています。そして、これらの成分が、明日葉の健康効果を特徴付けています。

カルコンとは、明日葉が含有している黄色い色素のことであり、ワインや緑茶などに含まれている「ポリフェノール」の一種です。

このようなカルコンには、「アディポネクチン」というホルモンを増やす作用があることがわかっています。アディポネクチンには、脂肪を燃焼させたり血糖値の上昇を防いだりする作用があります。

さらに、カルコンには、血栓や末梢血管の収縮などを防いで血液をサラサラにする働きがあります。そのため、継続的に明日葉を摂取すると、肥満や糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病を防ぐことが期待できます。

また、クマリンもカルコンと同様にポリフェノールの一種です。クマリンは、セリ科の植物やみかん科などの植物に多く含まれており、独自の香りや苦味などがあります。このようなクマリンには、血液の流れを良くすることでむくみや血栓を防止する効果があります。

さらに、近年の研究では、クマリンに「神経成長因子(NGF)」の産生を増やす作用があることが判明しました。NGFとは、神経細胞を作ったり脳神経を修復したりする働きをもつタンパク質のことです。

そのため、クマリンを継続して摂ることによって、脳における神経細胞の変性が見られるアルツハイマー型認知症や、糖尿病による神経障害を予防する効果が期待されています。

ただ、このようなポリフェノールは水溶性成分であるため、摂取から数時間で体外へ排出されてしまいます。そのため、カルコンやクマリンなどの働きを効果的に得るためには、明日葉をこまめに摂る必要があります。このようなことから、明日葉を原料とした青汁は、これら成分がもつ効果を実感するために適した食品といえます。

その他にも明日葉には、前に述べたようなビタミン類やミネラル類(カリウム、カルシウムなど)、食物繊維などがバランス良く含まれています。そのため、明日葉の継続的摂取は、生活習慣病の予防や美容、アンチエイジングに効果的といえます。

このように、青汁の三大原料として知られる大麦若葉とケール、明日葉には、それぞれに特徴的な栄養素が含まれており、味や風味などにも差があります。そのため、同じ「青汁」という名前でも、使われている材料によって期待できる効果が異なります。

青汁の選び方

前述のように、青汁は原料によって期待できる健康効果や味、風味が異なります。そのため、青汁の効果を実感するためには、原料の特徴を知って自分に合った素材を選ぶことが大切です。

さらに、市販の青汁を選ぶ際には、原料の産地や作られ方にも注意する必要があります。というのも、青汁は生の野菜を絞った汁です。そのため、環境や栽培方法などによっては、青汁を飲むことがかえってデメリットになる可能性があります。

気をつけるべき青汁原料の産地

青汁の原料として使われている野菜は、国産と中国産のものが多いです。そして、多くの人がイメージしている通り、中国産の野菜には気をつける必要があります。というのも、実際に中国産の原料には、ヒ素やカビ、大腸菌、漂白剤、農薬など、さまざまな危険な物質が入っていることがあります。

これは、中国と日本では健康や栽培に関する価値観が大きく異なっていることが最大の原因と考えられています。また、現在中国では環境汚染が深刻な問題となっているため、野菜の発育環境が悪いということも考えられます。

ただ、中国産の青汁は、国産のものに比べて値段が非常に安いです。例えば、中国産の青汁は1袋で約30円であるのに対して、国産の青汁は1袋100円程度です。

とはいえ、青汁は健康に良いことを期待して飲む飲料です。そのため、値段がいくら安くても、前述のような成分が混入していては本末転倒といえます。このようなことから、極端に安価な青汁は避けることをおすすめします。

また、市販されている青汁には、原産国が記されていることがあります。ただ、原産国とは、商品を販売する上で最終的に加工した国のことを指します。つまり、中国産の原料を使っていても、最終的な加工地が日本であれば「原産国:日本」という表示になるのです。

これに対して、「原料原産地」は、原料が作られた地域を指します。そのため、青汁を選ぶ際は、原産国ではなく原料原産地の表示を確認しましょう。

青汁原料に含まれている残留農薬

前述のように、青汁を選ぶ際は原料の産地に注意することが大切です。また、原料に付着している「残留農薬」にも気をつける必要があります。

というのも農薬には、栽培している植物を守るために、虫が嫌がったり虫を殺したりする成分が含まれています。そのため、人間が大量に摂取すると、めまいや関節痛、皮膚のかぶれ、吐き気・嘔吐、倦怠感などの「農薬中毒症状」が生じます。また、うつや不安感などの、精神症状も起こりやすくなります。

そして、青汁は生の野菜を絞ってそのまま飲む食品です。そのため、青汁の原料を育てる際に農薬が大量に使用されていると、このような症状が発生しやすいです。

このような残留農薬の影響を受けないようにするために、青汁を購入する際は農薬不使用の商品を選ぶことが大切です。そうすることで、より良質な青汁を飲むことができ、青汁を飲むことによる健康被害を受ける心配がなくなります。

前述のように、青汁は健康食品として有名です。ただ、使われている原料によって含まれている栄養素や味、風味などが異なります。また、野菜の原産地や農薬の使用の有無も、商品によってそれぞれ違います。

そのため、青汁の効果を実感するためには、これまでに述べたような原料の特徴を知って自分に合った商品を選ぶことが大切です。